池上俊一
( いけがみ・しゅんいち )1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。専門は西洋中世・ルネサンス史。独自の切り口から西洋社会の深層に迫る研究で知られる。主な著書に『動物裁判』(講談社現代新書)、『身体の中世』『遊びの中世史』(ちくま学芸文庫)、『イタリア・ルネサンス再考』(講談社学術文庫)、『シエナ――夢見るゴシック都市』(中公新書)、『パスタでたどるイタリア史』『お菓子でたどるフランス史』(岩波ジュニア新書)、『図説 騎士の世界』(河出書房新社)など多数。
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中世末から近世にかけて、西洋世界において魔女狩りの嵐が吹き荒れる。しかし、それと時をほぼ同じくして、その美徳と超自然的力によって聖女と崇められる女性たちも現われる。幻視を経験し、恍惚に浸り、空を飛ぶといった、人間を超える特徴を共有する魔女と聖女は、あらゆる点で表裏の関係にあった。なぜ同時期に、女性に対する嫌悪と礼賛とがこれほどまでに高まっていったのか?そこには時代のどんな精神性が働いていたのか?魔女狩りが行なわれなくなった後も残りつづけた女性の魔性に対する畏怖と信仰をめぐる論考を増補。
第1章 魔女(魔女狩り
魔女集会「サバト」 ほか)
第2章 聖女(閉ざされし聖女のその
男装する聖女 ほか)
第3章 魔女と聖女の狭間で(モデルとしてのイヴとマリア
女のからだ ほか)
第4章 したたかな女たち(教会法と世俗の法
女性の仕事 ほか)
第5章 女性の文化は存在したか(糸巻き棒の福音書
読書する女 ほか)
補章 近現代の魔女と聖女―宿命の女をめぐって
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