岩下壮一
( いわした・そういち )1889年東京生まれ。東京帝国大学哲学科卒業。1925年司祭となる。「カトリック研究社」を設営、大正から昭和初期にかけて日本カトリック教会の指導者として活躍。神山復生病院院長としてハンセン病患者の救済にも尽力。1940年没。著書に『信仰の遺産』『中世哲学思想史研究』など。
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人間が神の知恵と愛に与るとはいかなることか―。近代日本のカトリシズムを代表する司祭・岩下壮一が、豊かな学殖と明晰さでキリスト教の真理を闡明した記念碑的名著。公教要理(カテキズム)の概説書としていまだ類例がないだけでなく、深遠で難解な神学は本書により日常の信仰の糧へと一変した。時に表出するプロテスタンティズムや近代哲学への峻烈な批判は、人間精神を主?マ性の牢獄から解放し、再び霊的実在へ開かんとする著者生涯の意図から発しており、それは神の恩寵の賜物=カトリックの信仰においてこそ実現すると説く。
宗教とは何か(宗教の必要
真の宗教)
天主(神の信仰は宗教の根底
神を知る二つの根底 ほか)
三位一体(認識の限界を超えて天啓へ
三位一体はキリスト教の根本信条 ほか)
創造と主宰(創造とは何か
創造は全能者の業 ほか)
天使(天使の創造
天使崇拝と迷信 ほか)
人間(物界の創造とその意義
自然は人に神を語る ほか)
原罪(人祖の堕落とその結果
人生の矛盾 ほか)
御托身その1(救主イエス・キリスト
救われし人類と神との関係 ほか)
御托身その2(キリストの人性についての問題
ギリシャ思想における肉体観 ほか)イエズス・キリストの私生涯(プロテスタント的聖書観の誤謬
高等批評に譲歩する新教徒の矛盾 ほか)
イエズス・キリストの公生涯(イエズスの受洗と聖役の準備
イエズスの聖役の第一年 ほか)
救世(御受難の物語
イエズス御受難についての考察 ほか)
御復活(復活は原始教会の根本信条
後復活の歴史的根拠 ほか)
御昇天(聖書の記事
御昇天の意味 ほか)
聖霊(聖霊のはたらき
神は救いを強制し給わず ほか)
公教会(Ekklesiampの語源の歴史
教会問題の所在 ほか)
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