田中小実昌、森茉莉、東海林さだお、伊丹十三、
武田百合子、池波正太郎、向田邦子、幸田文……
豪華執筆陣による、素敵な活字のビールをどうぞ!
ゆるくて、ごきげんで、さわやか。
いつも笑いがそばにある、心地よい作品のかずかず
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ビールとは… ? ?
わざとらしくない異文化体験(小野邦彦「ビールの偏在性とさりげないやさしさについて」)
自分で好きなように飲めばいい(田中小実昌「ビールの泡」)
いいか、レンコンは穴、ビールは泡が旨いんだ(阿川佐和子「泡だらけ伝授」)
泡による沈黙のひとときはとても大切なのだ(東海林さだお「ビールは泡あってこそ」)
とても寛(ひろ) やかな時間がいっぱいに詰まっている(長田弘「ビールは小瓶で」)
「とりあえず」が出たときには、それはもうビールなのである。(中略)主語なしでビールが出てくる。ほとんど超能力だ(赤瀬川原平「とりあえずビールでいいのか」)
飲みたければ、たんとお飲みなさい(獅子文六「ビールと女」)
ビールは神経の清涼剤(大橋歩「ビール」)
私は大ビール徒である。大麦酒童である。「ビーラー」である(火野葦平「ビールの歌」)
(本書より)
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草野心平、森鴎外、嵐山光三郎、姫野カオルコ、大橋歩、瀧波ユカリ、茨木のり子、村上春樹、椎名誠、小沢健二……バリエーション豊かな書き手たちによる作品に、8作の書下ろしを加えた、ビールの魅力をとりこぼすことなく集めたアンソロジー。