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単行本

漢字がつくった東アジア

定価

2,420

(10%税込)
ISBN

978-4-480-85786-6

Cコード

0020

整理番号

2007/04/25

判型

四六判

ページ数

288

解説

内容紹介

始皇帝が文字を統一したとき、漢字が東アジアの歴史を照らし始め、漢字文明圏が決定づけられる。やがて大陸(中国)の変動に呼応する形で、平仮名(日本)、ハングル(朝鮮)、チューノム(越南)が生まれ、それぞれの文化の枠組みが形成されてゆく。その延長上に現代を位置づけなおすとき、二十一世紀が目指すべき方向が見えてくる…。鬼才の書家が巨視的な観点から歴史をとらえなおし、国民国家を所与とする世界観を超え、読者を精神の高みへと導く知的興奮に満ちた一冊。

目次

序章 漢字文明圏とは何か
第1章 文字と国家の誕生―中国史1
第2章 分節時代から再統一へ―中国史2
第3章 深化から解放へ―中国史3
第4章 立ち上がる朝鮮半島―朝鮮史1
第5章 ハングルと朝鮮文化―朝鮮史2
第6章 漢字文明圏の北限―渤海・大陸東北史
第7章 漢字文明圏の南限―越南史
第8章 琉球から沖縄へ―琉球史1
第9章 ヤポネシアの空間―琉球史2
第10章 無文字社会から問う―アイヌ史

著作者プロフィール

石川九楊

( いしかわ・きゅうよう )

1945年、福井県越前市生まれ。京都大学法学部卒業。書家、批評家。主な著書に、『筆蝕(★正字)の構造』(ちくま学芸文庫)、『日本の文字』(ちくま新書)、『書の終焉』(同朋舎出版、サントリー学芸賞受賞)、『中国書史』(京都大学学術出版会)、『日本書史』(名古屋大学出版会、毎日出版文化賞受賞)、『近代書史』(名古屋大学出版会、大佛次郎賞受賞)、『二重言語国家・日本』(中公文庫)などがある。

この本への感想

稲作文明の開始、黄河文明の開始、この辺りに関心を持っていたが、始皇帝に始まる漢字の文明を知ることができました。漢字の書の解説を見たことで、文化段階について初めて知るところとなりました。
東アジアというものをもう少し考えてみたいと思っています。

石山みずか

さん
update: 2009/07/28
「文字が東アジアを結ぶ太く長い線」

中国という文明を広い範囲に亘って伝えたものに「漢字」という手段があったことを改めて知りました。その漢字は東アジアの各自の文化の源となり、また独自の文化のためのキーポイントにもなりました。今各々が異なる文字をもちいているものの、その派生の源は漢字であり、思想の源点もまた中国となれば、近代は欧米の異文化接触がもたらした、悲しい時代なのかも知れない、とふと思える一冊です。

みちのくの一司書

さん
update: 2007/08/27
「思想家としての石川九楊」

私が学生だった40年前頃、突然指導教授が『街道をゆく』by週刊朝日を取り上げて(哲学の基礎ゼミの中で)「彼はもう思想家として考えるべきです」と日もうた。ドヘ~ッ!『龍馬が行く』等のバカ小説を書いている司馬を読め、思想家だと。今にして私は思う。石川はもはや書家ではなく思想家としてとらえなければならないと思う。

kabanokaban

さん
update: 2007/07/24
漢字について

わたくしは高校で国語を教へている教師ですが、ここ十年ほど前から、高校生の語彙が貧弱になつてきたことに憂ひを感じてをります。そのやうなときに石川九楊や白川静の著作に接し、その原因がおぼろげながら見えてきました。それは漢字をないがしろにしてきた敗戦後の日本の風潮がもたらしたものでせう。改めて、この本に接し、東アジアの漢字のもつ意味について考へました。日本語にとつて、漢字を蔑ろにすることはできません。

独楽

さん
update: 2007/05/16

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