嵐山光三郎
( あらしやま・こうざぶろう )嵐山 光三郎(あらしやま・こうざぶろう):1942年、静岡県生まれ。『素人庖丁記』により講談社エッセイ賞受賞。『芭蕉の誘惑』によりJTB紀行文学大賞受賞。長年の薀蓄の末に到達した芭蕉像を描いた『悪党芭蕉』で、泉鏡花文学賞、読売文学賞をダブル受賞。他に『文人悪食』『追悼の達人』『「下り坂」繁盛記』『不良定年』『ごはん通』『「世間」心得帖』『年をとったら驚いた!』『枯れてたまるか !』『超訳 芭蕉百句』など著書多数。
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自称・温泉王が太鼓判を押した名湯の数々。団体が押し寄せず、勘ちがいした懐石料理も出ず、源泉に近く、24時間入浴可能、ひっそり、のんびり湯にひたる…。人情味あふれる宿の人々との交流も楽しみの一つ。浴衣姿、手拭い片手に、下駄をカラコロ、近くを散歩するも良し。読めば温泉気分まちがいなし。ついガマンできず発作的に温泉へ行きたくなる。
牧水『みなかみ紀行』でいろいろと考えた―川原湯(群馬)・沢渡(群馬)・草津(群馬)・小瀬(長野)
春眠の鯨は海に沈みおり―白浜(和歌山)・勝浦(和歌山)・太地(和歌山)・川湯(和歌山)
なぜブンジンは温泉にはまったか―奥湯河原(神奈川)・箱根塔之沢(神奈川)
湯の沢にざぶりざぶりと蛇いちご―玉川(秋田)・後生掛(秋田)・鶴の湯(秋田)
瞳忌や荒れるパドック上山―上山(山形)・碁点(山形)
台風に追われて北海道温泉旅―登別(北海道)・ニセコ薬師(北海道)・二股ラジウム(北海道)・八雲(北海道)
夏の温泉は川沿いに限るぞ―宝泉寺(大分)・壁湯(大分)・川底(大分)
こおろぎも湯上りで鳴く松江城―城崎(兵庫)・関金(鳥取)・松江(島根)
長いあとがき―岩下(山梨)・道後(愛媛)・古里(鹿児島)・指宿(鹿児島)
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