山口瞳
( やまぐち・ひとみ )1926─95年。東京生まれ。兵役の後、鎌倉アカデミアで学び、1958年壽屋(現・サントリー)に入社。「洋酒天国」編集の傍ら、コピーライターとしても活躍する。1963年『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞を受賞し、文筆業に専念する。『血族』や『家族』『人殺し』などのほか、「週刊新潮」の長期連載コラム「男性自身」は多くの読者から支持された。
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山口瞳は直木賞作家である。しかし小説ばかりでなく、「週刊新潮」の連載コラム「男性自身」のように、エッセイストとしても優れていた。清水幾太郎の「核の選択」を真っ向から論じた「卑怯者の弁」や向田邦子の事故死を扱った「木槿の花」は、社会的にも大きな話題をよんだ。あわせてサラリーマン社会の切ない日常を過不足なく描き、独自の生活美学を浮き彫りにする。
1 人間通―“偏軒”として生きる
2 昭和の迷宮―漂泊する自画像
3 われらサラリーマン―運・競争・会社人間
4 夢を見る技術―歓びと哀しみと…
5 わが生活美学―人間関係の極意
6 飲食男女―“通”の“通”の弁
7 老・病・死―反骨と祈り
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