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筑摩選書

明智光秀と細川ガラシャ

——戦国を生きた父娘の虚像と実像

なぜ光秀は信長を殺したか。なぜ謀反人の娘が聡明な美女と伝わったのか。欧州のキリスト教事情や近代日本でイメージが変容した過程などから、父娘の実像に迫る。

定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01695-9

Cコード

0321

整理番号

187

2020/03/12

判型

四六判

ページ数

288

解説

内容紹介

謎の武将・明智光秀と悲劇のヒロイン細川ガラシャ。戦国時代を生きた父娘は、どのような人物だったのか。光秀が織田信長を裏切った本能寺の変の背景には、何があったのか。キリスト教を学び改宗した娘は、石田三成率いる西軍の人質になることを拒絶して死に追い込まれた「気高い美女」とされるが、本当の彼女はどのような才覚、性格、容貌の持ち主だったのか。明智家の状況、当時の布教の様子、イエズス会の置かれた立場や日本戦略、近代化の過程で変容したイメージなど幅広い観点から、彼らの実像を浮かび上がらせる。

目次

第1章 明智光秀と本能寺の変(明智光秀とは何者か
野心家、明智光秀
本能寺の変の動機を再考する)
第2章 イエズス会士が作り上げた光秀・ガラシャ像(イエズス会士による日本についての報道
フロイスがみた明智光秀
細川ガラシャへの期待)
第3章 美貌という幻想(歴史小説のガラシャ像
日本とヨーロッパ
ひろがる美貌説)
第4章 ガラシャの知性と文化的遺産(修道士高井コスメの賛辞
ガラシャの奇策
ガラシャが学んだ教えとは)

著作者プロフィール

井上章一

( いのうえ・しょういち )

1955年京都生。京都大学工学部建築学科卒業。評論家。現在、国際日本文化研究センター勤務。専攻は文化史、建築史、意匠論。主な著書に『霊柩車の誕生』(朝日新聞社)、『つくられた桂離宮神話』(弘文堂、講談社学術文庫、サントリー学芸賞)、『美人論』(朝日文芸文庫)、『狂気と王権』(紀伊國屋書店、講談社学術文庫)、『南蛮幻想』(文藝春秋、芸術選奨文部大臣賞)、『「あと一球っ!」の精神史』(太田出版)など多数。

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