小川原正道
( おがわら・まさみち )小川原 正道(おがわら・まさみち):1976年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史。著書に『福沢諭吉――「官」との闘い』(文藝春秋)、『福沢諭吉の政治思想』(慶應義塾大学出版会)、『小泉信三――天皇の師として、自由主義者として』(中公新書)、『福沢諭吉 変貌する肖像』(ちくま新書)、『日本政教関係史』(筑摩選書)など。
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宗教と政治の関係を考えるには、近現代史を踏まえねばならない。本書は日本の宗教行政・宗教政策史を概観し、重要なトピックをその中に位置づけ分析する。明治以来、政府は宗教団体法の制定を模索し、昭和にようやく国民精神動員の名目で成立させたが戦後、占領軍が廃止を命令。一九五一年成立の宗教法人法が宗教団体の自由と自治を大幅に認め、政教分離を明確に定めた。キリスト教公認問題、内村鑑三不敬事件、戦争と宗教、靖国問題などのトピックから政教関係の全体像を照射する。
第1章 近現代日本の宗教行政史概観 1868‐2019
第2章 教育と宗教の衝突 1890‐1893
第3章 内地雑居とキリスト教公認問題 1894‐1903
第4章 公害・戦争・遊郭・社会主義との対峙 1890‐1911
第5章 飢饉と救済 1905‐1906
第6章 宗教団体法の整備過程 1899‐1939
第7章 「大東亜共栄圏」と仏教哲学者 1916‐1945
第8章 満洲国の「靖国」 1935‐1945
第9章 靖国神社の近現代史 1869‐2019
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